あたしとお前といつかのあたし

精神科のロビーで二度見される女

PRAYING XXX

キラキラのクマの形をしたスマートフォンのケースを長い爪が大事そうに抱えている

きっと今あたしが目の前にいる誰かなら、あたしのことをそう表現するだろう

キラキラは今日も、女の子のかわいいを担ってくれている

 

心の中で、ずっと考えていた気がする

 

"「汗をかけば楽になると思ったのに」という歌詞がファンに刺さってる時点で、汗をかくくらいで楽になれそうな悩み事しかない方々の集団じゃん、と思ってしまった"

 

これは通勤の電車で聴いていた曲に違和感を覚えて殴り書きした、あたしの朝のツイートだ

なぜそんな受け取り方をしてしまうのだろうか

あたしはこの歌が好きだ

1度ずつ等間隔に上がっていく伴奏がたまらないそれなのに、歌詞にこんなことを思ってしまう

 

別に、あたしへの応援歌じゃないことはわかってるんだけど

それでもこの歌のこの歌詞に勇気づけられている人間がいることは事実で、その大半があたしにとってどうでもいい人間のくせに加害してくる部類の性格だと根拠もないことを思う

わかってくれなくていい

あの子には伝わる気がした

音楽を聴いて、いいなと思った時、あなたならわかってくれると感じる

あなたならこの汚い感情を、どんな美しい言葉で形容してくれるのだろうか

 

"うちら楽になろうと思ったら死ぬしかない"

 

ツイートの後に続く文章の主語は、あの子を含めた複数形になっていた

 

どうかこんなにも雑な殴り書きが、世界の誰かに届きますようにと

祈りを込めて書いたつもりよ