あたしとお前といつかのあたし

精神科のロビーで二度見される女

なぜか今日も幸せで

不思議な人生だと思う

あたしの幸せの定義は「幸せかと自分に問わずとも幸せだと感じること」と、非常に抽象的なものだ

だからこそ理論上「幸せになりたい」を実現するための努力は1つもできない

でもそんな人生を薄っすらと好きだと思える日々を過ごしている

 

自分を客観視せずとも、しばらく働くこともできずに人生で初めて借金をした

高校の頃に「あたしの人生の1番大事な軸はお金じゃない」と気づいたあの日があっても、資本主義の国で生きる上で自由に使えるお金がないことは、精神的に負荷がかかることを思い知った

それでものうのうと生きている自分を変な生き物だと思いながらも好きだ

 

寒い夜に彼氏と夜中まで遊んだ夜、彼氏のバイクの運転で寒空の下を走って帰る

おしゃれを捨てて寒さ対策などしてみたものの、ブーツやデニムの生地を平気で貫通してくる寒さだった

それでも、大好きな人と楽しい時間を過ごして、寒いねと笑い合えることが幸せで仕方なかった

確かに身体は冷えているけれど、何も言わずに暖かいアウターをあたしに貸してくれた彼氏はきっともっと寒い思いをしている

最高の男だと、夜空に少し胸を張ってみた

 

明日は休みだからと中途覚醒をしない薬を口に含んだ

ホルモンバランスはガタガタで、睡眠薬はグミとチョコレートを食べながら摂取した

夜中にお菓子を食べていることも、歯を磨かずに睡眠薬を飲んだことも、それでもお菓子を食べていることも、何も許せない

アラームもかけずに寝落ちをして、そのまま寝られればせめて幸せなのにすぐに起きてしまった

中途覚醒が嫌で薬を飲んだのになんの意味もない状況にため息すらも出なくて、二度寝をするにも目が冴えてしまった

諦めて時間を潰していると、電話を繋いでいた彼氏があたしの名前を呼んだ

怖い夢を見て起きてしまったと、少しの時間話した

彼はそんな時もすぐに寝られるらしくて、もう寝てしまったけれど、あたしは怖い夢を見て起きたとき、1番に名前を呼んでくれた幸せを噛み締めている

 

あたしはこのままこの人と一緒にいられれば幸せなのだと改めて思う

彼があたしといることで幸せになれるために、お金を稼ぎたい

あなたのためならできることがたくさんあって、あなたといる時間を心から幸せに思っている

 

社会的な地位なんてもうないようなものなのに、この人といたいと思うだけで生きようと感じられるだなんて、愛の力強さは偉大だ