寒空の中で飲む缶のミルクティーは、格別な味がするものだと思っていた
さっきのミルクティーに限って、味がしないどころか、温かいとすら思わなかった
140円で買えたのは、ぬくもりではなく味のついた白湯で、それを悲しいとも思わない自分が公園のベンチに座っていた
足を組む気力すらない
薄味のそれは、やけにセブンスターとの相性も悪く、なぜ飲んでいるのかもわからずじまいで飲み干した
世の中、知らない方がいいことの方が多い
少しの気に食わないことで全てが狂い、一瞬で信じたい人を信じられなくなる
コンサータはとうに切れた
止まらない欠伸に反して、眠る勇気はない
何処かへ消え去ってしまいたいと家を出たけれど、行くあてもなく部屋に帰ってきてしまった
無機質なアラームの音が突然恋しくなる
現実はいつだって深掘りすれば残酷で、いかに浅く生きるかという命題は、この世の勝ち組になる手段への答えに限りなく近い
不毛な争いをするよりも、争いごとに近づかないことの方がよっぽど賢明だ
親しい人に殺意が湧いた夜
信じた人を疑い始めた夜中
それでも、気持ち悪いほどに"いつも通り"の朝を迎えて過ごす人生のどこが幸せなのだろうか
答えなら知りたくない
別になにも知りたくない
眠れない、いや、眠らない夜は短い
そういえば、あたしが1人で夜中に家を出たのにも関わらず、家族と恋人は揃いも揃って気づきもしなかった
此処に生きる価値などあってたまるか
かと言って、そんな奴らの為に死ぬほどこの命は軽くない
本当は誰かに心配してほしかった
今日もあたしは醜い女だ