木造アパートの1階で夢中で絵を描いているわけではない
ただ、一度沈んだ気持ちは一向に上向かず、なにもせずに生きているだけの日々を穢らわしく思う日常がここにある
雨音は憂鬱だ
雨の音が好きだと笑う人を見る度に、気圧の変化で体調に影響が出ない人種かとなんだかがっかりする
あたしとは違うんだな、その感情はいつしか、あたしのことなんて理解できない人なんだろうなという認識にすり替わる
自分と全く同じ人なんていないことくらいわかっているのに、小さな事で人を見切ってしまう
自分を好きになれと他人は言うが、こんなあたしのどこを好きになれというのだろうか
憂鬱な毎日に、憂鬱な天気が続く
五月病なんて言葉は、こんなご時世の中では死語と化した 多くの人が何かで痛手を受けてはマイナスを溜め込んでいる
それが鬱になっていくか、変換して外に吐き出せるかは、残酷だが自分次第だ
降りゆく雨を見つめ、ピアノで始まるあのイントロを聴きながら吸うセブンスターが恋しい
そんなときはジッポよりも、安っぽいラブホテルのライターがお似合いだ
あたしのことなど理解してくれないと見切ってしまった誰かを心の中で許してみようか
あいつもあたしも変わらない
変わっていくのはいつも風景