好きな人の好きな人が死んだ 自殺だった
心の整理がようやくついてきた
人は簡単に死んでしまう、それだけだよ
喧嘩別れして直接ごめんなさいと謝れなかった人が死んだ
心の整理はまだつかない
この国を創り直してくれるはずの人だった
喧嘩別れしてしまったものの、ずっと応援していた
死因だった癌を最期まで周りに明かしていなかったと聞いて、彼女らしいなと泣き顔を隠すように笑ってからもう半年以上経つのね
あたしもいずれ死ぬ
明日の予定よりも確実なこの事象を考える
幸せのピークで死にたいというあたしの願いを、最期に神様は叶えてくれるのだろうか
地球や人類が形成されてきたことまで遡ってしまえば、あたしなんて本当にちっぽけだから、ダイエットに成功しようと、クソみたいな男に狂わされようと、仕事がなくなろうと、全部どうでもいいんでしょう
マイスリーはこんなにも効かない薬だっただろうか
20mg飲んだあたしに少しの眠気も与えてくれない
催眠をくれるはずなのに愉快な幻想すら見させてくれない
あたしが見てるのは、孤独の振りをして、つらいと嘆いて常夜灯の下、ひたすら自分の無力さに悲観している失敗作の女だ
悲観しているくらいなら勉強するなり日記を書くなりすればいいのにと思いながらも、すべてを投げ出したくなってしまった気持ちは誰よりもわかる
多幸感だけを求めるのならば、正直簡単どころの騒ぎではない
魔法が使えるあたしの手にかかれば10分後には笑っていることだろう
でも、そんな気分でもない
偽りの自分を演じることすら許されない
もうなんでもいいから、あたしの幸せを全て大事な人に分けてあげたいの
あ、ごめん
あたしの幸せなんてちっぽけすぎてみんないらないよね
音楽の力は偉大だけど、今日はなんの役にも立たない
薬は強力な効果を持っているはずなのに、今日も役立たずだ
やっぱり全部いらないから、愛してくれ
あたしのことなんて愛さないと言うならば、静かにあなたの世界からあたしのことなど殺してお終いなさい
魔法使いのあたしが最後に目一杯の愛をあげるから、あなたは幸せでいてね。
バイバイ