あたしとお前といつかのあたし

精神科のロビーで二度見される女

コトバのイロハ

"愛してるなんてつまらないラブレターマジやめてね、世界はもっとおもしろいはずでしょう?"

(絶対絶望絶好調/大森靖子 より引用)

 

春先に別れた元彼と連絡を取ると、未だにお互い「愛してるよ」と言う

あたしには彼氏がいるし、彼にも新しい彼女がいるけれど、それでも私たちは今も愛し合っている

 

陳腐な世界は滑稽だ

なにもわかっていない奴らは"愛してる"という言葉が、まるで恋愛的な"好き"の延長にあるように捉える

 

違う、そうじゃない

少なくともあたしと元彼との共通認識として"愛してる"という言葉は、"あなたが何をしようと、何があっても受け入れる"という意味であり、過去の恋愛関係にはなんの未練もない

だからそれを浮気だと言われても困るし、むしろ男女の友情が成立してるのだとすら言いたくなる

 

浮気の定義も大概だ

恋人以外の人間と2人で遊んだら、手を繋いだら、キスをしたら、セックスをしたら、男女関係を反復継続させたら…

薄い関係同士の飲み会でよく議題に上がるこれだが、あたしは自分なりの定義がある

文字通り、「気持ちが浮ついたら」だ

それ以上でもそれ以下でもなく、ただ恋人でない人間に恋愛感情を抱いたら浮気である

だからあたしは、感情のない行きずりのセックスよりも、自分以外の女を好きになられる方がずっと深く傷つく

逆に彼氏以外の男と寝ることにそこまで罪悪感を覚えることはなく、むしろ他の男といる時に好きだと思うことの方がずっと怖い

散々人を傷つける人生を送ってきたものの、やはり大事な人を守りたい気持ちはあるので、浮気はしない主義だ それでもあたしの定義の"浮気"は、自分のコントロールできる範囲外にある

また、定義は違えど浮気はされる側が悪いというのも貫いてきたしょうもない信条だ

浮気されたと泣き喚く女を見るたび、自分は大切な人を奪われるくらいのバカな女ですと言っているように見えてしまい笑いを堪えるのに必死である

 

"愛してる"にも"浮気"にも、人それぞれの定義があるのに、ましてや無定義概念の中で感情的に使っている人間もいるというのに、無責任に浮気を疑ったり愛してるとか言わないでよね

 

行き場のない身勝手な恋愛観を書き留めるのはここまでにして、今日は銀紙を破いて眠りにつこう