あたしとお前といつかのあたし

精神科のロビーで二度見される女

再会

久々にセックスをしたあいつはなんだかより一層魅力的に想えた

あたしが愛煙しているセブンスターが、大した代物でもないと思ってしまうほどだった

外の空気が美味しくて、iPhoneの明かりがいつもより少し眩しく感じる

 

もう一生愛さないと思っていた

もっと大事なことはたくさんあった

やはり煙草を吸うのは間違えていた

はやく部屋に戻って音楽に浸りたい

 

ライブが始まった 今日はどのアーティストも声の調子が良いものだ 特にベースラインが最高だ

 

幸せな気がするんだ

別に現実なんてどうでもいい

 

死にたいと嘆く人間の気持ちがわからなかった

死は明日の予定よりも確実に訪れる未来であって、わざわざ憧れるものではないだろうと心底思っていたし、正直なところ視野が狭いのでは、とまで思っていた

でも別にいいじゃん

死にたい人がいても、社会になにひとつ貢献できずに引きこもっている人がいても、死にたいと嘆く人がいても、上を目指して努力してる人がいても、日々ストレスと闘いながら社会の歯車を必死にまわしているひとがいても

この世界は愛おしいんだよ

 

それを教えてくれたメアリーに舌で溶けゆくチョコレートを捧げようか

部屋に充満した胡麻油の匂いが幸せを運んでくる きっと極上の味なのだろう

 

さっきまで青かった口内も今は消え去った色となった

そんなことは置いておこう

 

 

いつもとずいぶんテイストの違うこのブログを読んで、何故違うのかがわかったとしたら、きっとお前もあたしと同類だ