切りたての腕は夜中の寒さに刺されたように痛みを増している
昔の男の煙草を吸ったら、なんだか喉に染みてしまった 吸い慣れたものだけど月が綺麗に見えない夜に吸う代物ではなかったようだ
ああ、いい人生だったと突然締め括ろうとしたはいいものの、締められるほど何かを成し遂げたわけでもないもので 死ぬに死ねないとはこのことかと思い知らされる
心拍数が強くなりすぎて枕がわりに置いている左腕にまで届く あたしが欲しかったものなんて、所詮カタチになるようなものではなく自らが信じられるかを試されるだけの愛だった
あたしのことを何も知らない誰かに会って、身体だけ預けて味わう虚無感が恋しくなった
きっと明日には味わえる感覚なのだろうけれど、そう味わったところで虚無感以外のなにかを覚えた試しなど1度もない
俗に言うドラッグから手を引いてどのくらいの時間が経ったのだろうか
そんなことは別に、いいのだけれど
起きて12時間経って投稿されないまま放ってあった文章を見返す
昼間に間抜けな人間を演じた分、夜の自分にツケが回っていることを思い知る 同じ自分でありながら、もう1人の自分自身に頭を下げても足りない寝起きだった
誰にも必要とされていない人生だったらラクだったと何度叫ぼうと自分を取り巻くものは変わらない
いつだかの下書きを見つけて続きを綴り始めようと思い立ってしまった
昨今の世の中は鬱が取り巻いている
青い舌で銀紙を破き煙を吸い込むあたしは、ガラリと変わってしまった社会でも端くれにすらなれなかった
愛してくれ、愛さないけど
やっぱり愛してるから