親の声がうるさくて仕方ない
お金なんてあったところで使うためにあるし、自分の葬式代くらい親に負担をかけたくなくて援助交際に手を出して始めた貯金を男に貸してしまった
もう生きてるのなんて嫌だからと誰かに言うと、色んな答えが返ってくる
自殺を試みた人間と、クソみたいな社会に適合できている方々と、理論家の社会学者と、精神科医と、警察官と、ドラッグの売人と、ああそれはそれは立場によって答えは違う
ただ、人を殺めたことのある人間から言われる言葉だけは、格段に重みが違う
それが事故であれ、故意であれ、自分の手で誰かの命を奪った過去を持つ人間は、突然目つきが変わる
君だけの人生じゃないと言われても、あたしの人生だしって思うが、彼らはその言葉を決して発しない
ひたすらに、何かあったら連絡しろと諭すだけである
市販薬も処方薬も輸入薬も一通り耐性がつくほどには摂取した今、違法薬物が最後の砦だ
とはいえ東京は厳しいなんてもんじゃないし、違法の薬漬けになる人生を選ぶつもりもない
大麻ならまだしも、覚醒剤に手を出すくらいなら死んだほうがマシだ
1週間ほど旅に出て、誰にも邪魔されずにアンダーグラウンドの世界で生きていた
身体はなんとか現実を生きているが、脳と精神がいつまで経っても戻ってこられない
世の中にある娯楽がセックス・ドラッグ・バイオレンスしかないのが悪いと言っていたあいつの誕生日がもうすぐだ
おぞましいあたしの事件から、ちょうど何年かだ 5年くらい?
過去は過去だからなんでもいいけど、あれから悪知恵だけが残ってしまった自分が悲しい
実際は別に何とも思ってないことがなおさら哀しい
どうやって生きるかなんて覚えてないし
でもやりたいことあるから死ねないし
せめてバッチバチにキマるドラッグが空から降ってきてくれれば幸せだよ
リストカットをやめてだいぶ経った
もう跡はほとんど残っていない
そんな話がしたかったわけじゃない
別に話したかったことがあったわけでもない
ただなんとなく、バカはあたしだったんだなって
あーあ、あたし独りぼっちの夜ダメだ