あたしとお前といつかのあたし

精神科のロビーで二度見される女

理性という凶器

もしも今、この場に1人でいたとしたらきっと物を投げ捨てて叫んでいたのだろう

他者がいる時に働き続ける理性はいずれ、自分を苦しめることに集中した凶器となり襲ってくる

他人を傷つけて失うことが怖い日はいつだって自分を壊して、なんとかこの社会に順応しているフリをしている

 

違法薬物の過剰摂取で自殺を図ったことはないが、合法の処方や輸入によって手に入れた精神薬とアルコールを混ぜた自殺行為は天井を叩いてしまったようにも思う

現にあたしは生きていて、全てが未遂に終わっている

幾度となく仕掛けてはみたものの、毎度その後数日間酷い倦怠感に襲われる副作用に苦しんでいるだけである

そういえば、輸入時代のエチゾラムの1mg1錠分には同じ成分であるはずのデパス1mgの1シート分ほどの威力があったように思う

市販薬を過剰摂取して命の危機を感じ、朝方に必死に吐いたあの時に 死んでしまえばよかった

 

克服したはずの摂食障害が未だにあたしの中で生きて存在している

難病指定されている病気ではあるし、完治はないと思っていたけれど、下剤依存まで復活するとは思っていなかった

未遂に終わった自殺計画の後遺症なのか、下剤の副作用なのか、さっぱりわからないが食事もできないまま腹痛と頭痛と吐き気に見舞われている

服毒自殺の悪い点は、未遂に終わりがちなところだけではない

必要あって処方されている安定剤すら飲むのが怖くなることだ

そしてベンゾ離脱が起こり、体調が激しく悪化する

生きた心地などあったものではない

 

睡眠薬が残っていてぼんやりと眠いし、コンサータの副作用で食欲がない

薬物に縁のない人たちからしたら当たり前だが、薬は飲み過ぎるとただの毒である

ただ縁のない方々にお伝えしたいことといえば、この毒では死ねないということだ

 

汚い街に戻りたくなる

市販薬を瓶ごと飲んで食事をしていた頃の新宿は、今まで見た景色の中で1番輝いていた

 

結局今日も理性に負けて、両親の邪魔にならないように自室の片隅で文章を書いている

きっと夜になれば、青ざめた顔色を化粧で修正して、笑顔いっぱいの女に生まれ変わるのだろう

こんな人生が誰に必要とされるというのだろうか