精神崩壊前夜、眠れずに朝を迎えてしまいそうだから、あたしの「先輩」の話を書き連ねようかと思います
これはあくまでも1人の男を1人の女が数年間見てきた客観的な記録です
そもそもこのブログは彼の影響で始めました 彼の文章を読んで、自分も書きたくなったのです
本人に自覚はありませんが、このブログの生みの親であります ちなみに彼の文章は気色の悪いですます調で記されているので、この投稿だけは、雰囲気を真似てみたいと思っております
彼はあたしが知る限りで最もイカれた人間です 強調したいのはイカれていることではなく、人間だということです
ちなみに「先輩」というのは出会った当初に一方的につけた渾名のようなもので、響きだけで呼んでおりました
彼はあたしが処女を棄てた男です
「初めては好きな人がいい」というあたしの純粋な願いを叶えてくれた存在であります
でも当時の彼には彼女がいました
世間知らずだった当時の私は、彼女と別れたら自分と付き合ってくれるのでは、と淡い期待を抱いており、詳しい事は割愛しますが、それが原因で彼の誕生日に警察沙汰となる事件の引き金を引いたこともあります 調書に日付を記入する時に、心の中で(先輩、お誕生日だね)と呟く程には狂って居りました
翌日に彼から買った薬で自殺未遂をして、救急隊に起こされて精神科に運ばれました 部屋にはまだ記憶に新しい警察官の制服を着た人たちが大勢いたことを記憶しております
何れも彼の知らないところで此方が勝手に起こした事柄であり、彼は知る由もありません
そういえば、ドラッグのトリップも先輩が教えてくれたものでした
そして、少し時間はかかったものの、肉体関係だけを続ける中で「あたしに奪える程度の男はいずれ誰かに奪われる」ことを教えてくれたのも彼でした
だから私は彼女や妻子を持つ男性に惹かれますし、相思相愛になった日には自尊心が高まります そして奪ってしまった時、突然すべてが嘘のように熱が冷めるのです 原点は先輩でしたね
家庭環境が全く違う彼は、おかえりやただいまの文化が家にないと言いました 両親が当たり前のように不倫していながら避妊失敗で産み落とされたと直接言われた彼の心のことなど、出会った当初、恵まれた家庭の高校生だった私に分かるわけがありませんでした ちなみに現在も分からずにおりますが、無理に分かろうとすることが迷惑だということだけは分かるようになった所存です
彼にとっては忘れたことでしょうが、家に居場所がなくなって精神障害を患った私に、彼なりの優しさをくれました
例えば彼が帰省中の時、夜中に助けてと言った私と電話を繋いで、その間ずっと寒いベランダに居てくれたとか、そんな事を未だに覚えている程には大きな存在でした 電話の最後に「かけた時よりは少し元気になったじゃん」と言ったあの優しい声を私1人がずっと憶えているのです
そんな貴殿が突然「助けて」と連絡をしてきた夜、このブログを書き始めたのです
私に助けを求めるだなんて、初めての事でした
少しだけ先輩に認められた気がしました
その後に此方が慰める機会もあり、時間は人間同士の関係性を変えてくれるものだと思うと同時に、あたしにとって先輩がずっと特別であることは変わらないことをなんだか恥ずかしく思います
そんな今日は彼の生まれた日です
心より愛を込めて