あたしとお前といつかのあたし

精神科のロビーで二度見される女

日常

残念なほどにいつも通りの夜中だ

眠れずに飲んだはずの睡眠薬を見つめている薄暗い自室にいるか、身体を弄ぶだけ弄んで寝てしまった知らない男のいびきを聞きながら独りで画面を見つめているか

今日は後者の夜で、行き慣れてしまった渋谷のラブホテルの一室で筆を取った

 

"いつかの男"が増えていく

そういえばお風呂場で彼が"今はこうして一緒にいてくれてるけど、俺も数日後には`この前の男'だもんな"と呟いていた

笑って流したけれど、残酷なほどに正解だ

 

今日はただ欲しかったものを少しだけ買ってもらい、その男とは解散して、別の男とご飯に行き、成り行きでホテルに来た次第だ

外出して1日に1人としか肌を重ねなかったこと自体が久しぶりで、そんな自分にも少々引いている

きっとチェックアウトが済んだら端金を貰いに行き、1度家に帰り化粧を整えて、また男に会いにいくのだろう

彼氏がいるとか、好きな人がいるとか、そういう類の自分の感情を理解してはいるけれど、性欲よりもずっと扱いづらい承認欲求とやらに突き動かされ、あたしは今日も男と寝ている

 

道を歩けば声をかけられるから、一旦は承認に近いものを得ているはずなのに、着いていって確かめたくなってしまう

その人がどれだけの気持ちであたしに声を掛けたのかを知りたくなってしまうのだ

 

大好きだったはずの人たちを裏切るような行為だと言われるけれど、その前に自分自身を捨てている虚しさに気づいてくれてもいいじゃない

 

並べられたコンドーム、設定に慣れてしまった照明の切り替え、宿泊で入るとすぐに寝てしまう男たち、事後のセブンスター、食べない癖に買わせるだけ買わせて床に置かれたままのお菓子たち、ラブホテル独特のBGM、足元でぐちゃぐちゃになっているバスタオル、脱ぎ散らかされた服

こんな日常を汚らわしいとすら思わなくなってしまった

 

そういえば生理が来ない

仮に妊娠していたところで、誰の子どもかなんて見当すらつかない

 

珍しく睡魔が襲ってきた

男と寝て始まる1日が、ロクでもないことくらいもうわかっているから何も言わないでくれ

 

この投稿はいつになく駄作だ

一生読み返すことはないだろう