魔法にかかってしまった
それは眩くて目が眩むほどに美しかった
全灯の光はあまりにも眩しくて、目を瞑っても明るいと感じてしまう
だから、少し暗めの光にして深夜帯を過ごす
そして意識があれば常夜灯にして、さらに意識があれば消灯に変えて眠りにつく
それがどんな光であろうと、来たる朝は毎度憂鬱だ
飲み終わったペットボトルが散乱する部屋に、電子タバコと香水と何かを燃やした匂いが充満している
そういえば今日は、ネイルを変えようと思っていた
大好きな人への遺書を読んだ
もう気持ちは変わってしまったけれど、痛々しいほどに過去の自分の決意が遺っている
人なんて、いつ死ぬかわからない
だからやっぱり自ら死ぬのは違うと言いたいけれど、以前当ブログで死への憧憬ではなく生への絶望だと述べた通り、死に憧れて今を生きているわけではない
ただ一つ、補足をするならば、大切な人に先立たれる苦しみを考えれば、死への憧憬は至極妥当かつ真っ当な理論だ
魔法にはかかりきれなかった
かかっているとするならば、痛いほど現実を見つめる魔法だった
あなたの今日の寝息は、なんだか静かで落ち着くリズムね
ああ、あたしなんて
大嫌いだなんて言ったらおしまいだから、何も考えずに魔法の世界に溶け込んでいく
絶望の朝なんて来なくていい