あたしとお前といつかのあたし

精神科のロビーで二度見される女

真っ赤な家族

1人の時間を否定する気はさらさらないのだが、毎晩自分だけの体温で少しだけあたたまった布団にくるまって現実の景色を見ていると耐えられなくなる

好きな人であり大切で仕方ない友達とは毎晩のように通話をするから、相手方の休みを利用して家に泊まりにきてもらった しかし実家なので母親がいい顔をしなかった

出来の悪い失敗作であろうとここまで育ててもらった恩はあるので悪口は言いたくないのだが、母親は相手の気持ちを考えた言動ができない だから、あたしが頼みこんで来てもらったにも関わらず「今すぐ帰っていただけるかしら」「こちらも戸惑うの 私の家なので」そんなニュアンスを初対面の相手に隠さない

2泊の予定が、1泊で彼は帰ってしまった いるはずだった彼のスペースをあけて横になる 抱きしめてくれるはずの存在が、今夜はいない

今回の対応は、母親としてではなく人間として軽蔑するほかなかった むしろ一晩でも一緒に過ごしてくれた彼に感謝しかない

 

いるはずだった彼はいないのに、元凶の母親は我が物顔で暮らしている実家の前で過呼吸になり倒れた 涙も止まらず崩れ落ち、特技だった作り笑顔の練習すら今日は上手くいかなかった

帰りたくない家に反して開いている店もなく、そういえばと交番に立ち寄った

示談に終わらせてほしいと懇願されたレイプ魔がお金を払わないもので、被害届を出すべきか否かと、、、

いや理由はなんでもよくて、少しでも家にいる時間を減らしたかっただけなのだが

強姦に遭い、大事にしたくないという思いからお金さえきちんと払ってくれればと伝えると、売春を疑われる

世界から責められているような気がした

 

手首から流れた血が、シーツに落ちてしみていく